アオシマから1/700 給油艦 速吸 発売です。
速吸と書いて「はやすい」と呼びます。
速吸瀬戸という地名から来てます。
豊予海峡の別名です(九州と愛媛県の間の海峡)。海流が速いのでそこで育った魚はおいしいです。大分県側の港で水揚げされたサバやアジは関サバ、関アジといってブランド化されてます。愛媛県側でも同じ魚は採れてるんですけど。知名度ではいまいちです。
それはともかく、よくもまあこんなマイナーな船がプラモデルになりましたね。「艦これ」がなかったら絶対インジェクションキット化されなかったと思います。
速吸ってこんな艦
速吸は給油艦です。補給艦の仲間です。
補給艦というと間宮や伊良子を思い浮かべる人いると思いますが、間宮は食料が中心なので「給糧艦」と呼ばれます。速吸は油専用の補給艦なので「給油艦」と言います。艦隊が活動するためにはどちらも重要な船です。
でも、速吸が有名になったのは給油艦としてよりも飛行機を積むことができるからなんですね。それも連絡や偵察用の飛行機ではなくて、戦闘に参加するための攻撃機や戦闘機を積むことができました。
でも、速吸は長い飛行甲板を持ってません。
発艦はカタパルトがあるからいいとしても、着艦はどうするんでしょう。早吸から飛び立った飛行機は他の空母に乗せてもらうんですね。
飛行機を載せて飛ばすだけの船。陸軍の事を笑えない・・・
でも日本海軍ってこの手の船がよくあります。ミッドウェー海戦で主力空母を4隻も失って、飛行機を乗せる艦が足りなくなりました。
空母は建造するけれども時間がかかる。というわけで、あわてて飛行機を積める船を作った結果がこれなんですね。
もちろん水上機母艦というのは戦前からありました。でも艦上機を乗せて飛ばすだけの船というのはミッドウェー以降にできたものですね。
そういう意味では速吸と伊勢型航空戦艦は似た境遇にあります。
日本海軍には、前線近くに防御力に優れた装甲空母を配置して後方から発進した飛行機の中継基地として運用するという計画がありました。計画通りにできていれば伊勢型や速吸から発進した飛行機も、帰りは大鳳や信濃の様な装甲空母に収容されたかもしれません。
でも、この手の無茶な船が計画通りに活躍できなかったのも伊勢型航空戦艦と同じ。
伊勢型は優れた対空防御能力で存在感を見せましたが、商船構造で低速の船では艦隊同士の戦いに参加する事は出来ず、結局補給艦としての活動が主でした。
というより、もともと補給艦として使うつもりの船に「ついでに」飛行機をのせたみたいです。「艦隊決戦に使える飛行機は一機でも多いほうがいいから、飛行機乗せ られるなら乗せて戦場まで運んでもらおう。後は空母に回収してもらって損耗分の補充に使おう」って感じでしょうか。
今考えると「そんな無茶な」と思いますが、当時は切迫した問題だったんでしょうね。何しろ、負けたら国がどうなるか分からない。
そんな当時の海軍の厳しい状況がうかがえる艦だと思います。
キットの内容は
キットの方は、もちろん新規金型。ウォーターラインシリーズに準じた仕様で設計されてます。
ランナーの写真を見た印象は、戦闘艦ではないので武装が少なくパーツ数も控えめ。アオシマのキットらしく手軽に組み立てられそうです。
搭載する予定だった流星が7機分付いてます。瑞雲、紫雲も付属してます。
プラモデルなら艦載機を並べて空母として再現することも可能です。
その時は大鳳や信濃といった装甲空母も一緒に飾って、飛行機の変える場所を確保すれば面白いかもしれません。
こういった、「もし」が再現できるのも模型の楽しみだと思うのです。
要目 メーカー:アオシマ
シリーズ:1/700 艦隊これくしょん プラモデル No.28
製品名:艦娘 給油艦 早吸
新金型 流星、瑞雲、紫雲パーツ同梱
付属品:艦娘ディスプレイシート、エッチングネームプレート、艦娘カード
定価:3600円(税別) 2016年2月発売予定です。
既に予約は始まっているみたいです。
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