アオシマ 1/700 日本海軍軽巡洋艦 神通 1942 を製作しています。
前回までで塗装と組み立てが終わりました。 いよいよ仕上げに入ります。
汚し塗装をします
ウォッシングという技法を使って、全体に深みを与える事にします。
墨入れと言うやり方もありますが、技法としては同じです。 墨入れはくぼんだ所を重点的に塗料を残すのに対して ウォッシングは薄くまんべんに塗料を残します。
かつては艦船模型にウォッシングや墨入れをする人はあまりいなかったと思います。 でも、最近は艦船模型の世界でも増えて来ましたね。
ウォッシングをすると段違いにリアルな感じがするので僕はよくやります。 下手なディテールアップよりも効果があると思います。
やり方は簡単。 薄くといた塗料を全体に塗ります。
特にくぼんだとこには塗料が残るようにします。
ウォッシングにはエナメル塗料がよく使われます。 エナメル塗料を使う理由は二つあります。 下地をラッカー系あるいはアクリル系で塗装しているので、 エナメル系だと下に塗った塗料を溶かさないから。 エナメル系はよく伸びるので薄く塗料を乗せたいときには有効だという事。 以前はタミヤのエナメル塗料を使っていましたが、最近は便利なものがあります。
ズバリ タミヤ スミ入れ塗料 です。
エナメル塗料の一種ですが、 最初から丁度いい濃さに薄められているので買ってきたらすぐ使えます。
僕は、エナメル塗料をいちいちうすめるのが面倒なので、墨入れ塗料を使ってます。
色はいくつか売ってますが、 艦船模型には「ダークブラウン」がお勧めです。 黒だときつくなりすぎるし、グレーだと軍艦色と見分けがつかない。 ブラウンは明るすぎるからです。 もちろん、好みで黒に他の色を混ぜて使ってもかまいません。
墨入れ塗料を全体にまんべんなく塗っていったん乾かします。 こんなかんじです。
これだけで使い込んだ歴戦の船らしくなってきたと思いませんか。
ただ、これだけだと汚いだけと思う人もいると思うので。 エナメル系の薄め液を含ませた筆で余分な塗料をふき取っていきます。 このとき、筆にしっとり薄め液が残る程度にしないと せっかく塗った墨入れ塗料がみんなはがれてしまいます。
神通、完成です
ウォッシングのあと乾いたら 今度はドライブラシを行います。
これももともとは戦車模型の世界で流行っていた技法です。 角に明るい塗料を乗せることで立体感を強調する技法です。
艦船模型ではスケールが大きいのでやりすぎると嘘っぽくなるので 控えめにします。
使う塗料はタミヤのエナメル系塗料。 今回は明灰白色を使いました。 光が当ってるところを意図的に白っぽく見せるので ちょっと明るすぎない?と思うくらいの塗料でちょうどいいです。
エナメル塗料を薄め液で薄めて筆につけます。 いったん筆に含ませた塗料をティッシュ等でふきとってかさかさに なるまで溶剤をふき取ります。 塗料が付かないよというくらいでいいです。
塗料が残しすぎると、単に白い模様を描いているだけに見えます。 船体の角や出っ張った部分に塗料を乗せていきます。
この辺は慣れが必要なので何度も繰りかえすしかありません。
汚し塗装をする前と比べると、だいぶん雰囲気が変わったと思います。
ディテールの集中した部分がよく見えます。 この船で好きなアングルですね。
ベンチレータ、23mm機銃、内火艇、後部マスト、舷外電路など、 こだわった部分が集中している船体中央部。
後部マストには軍艦旗を付けました。 キットに入っていたシールをそのまま使ってます。
汚し塗装を加えたことで、凄みのある古参の船という感じが より強くなったのではないでしょうか。
ただ、きれいな仕上がりが好きな人もいると思うので このへんは好みの問題ですね。
手すりや張り線はしないのか?と思う人もいるかもしれませんが、 オーバースケールになってかえってバランスが悪くなる気がするんです。
模型的に寂しい時には張り線はすることがありますけど。 手すりは付けない方針でやってます。
水上機は時間がなかったので作ってませんが、いつか作って乗せたいと思います。
今回、神通を作ってみて5500t型もいいものだと思いました。
戦艦や重巡洋艦の形とはちょっと違ってたので新鮮な感じがします。
こういう渋い船をまた作りたいですね。
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