「艦これピクトリアルモデリングガイド2」が 発売されたので買ってきました。
64ページしかないわりに1750円+税もします。
あいかわらず「大日本絵画」の本は高いです。大判で全ページカラーで紙質もよいのでコストがかかるんですね。
表紙はこんな感じです。
が、決して女の子の本ではありません。
艦船模型の本 です。 キャラ目当てに買うとひどい目に会います。
目次を載せますので参考にしてください。
内容的には 艦これ ピクトリアルモデリングガイドで有名どころの船は説明してしまったので マニアックな船が多いのは仕方のないところです。
気になる内容は
作例として使用されているキットもあわせて書いておきますので参考にしてください。
基本的に戦艦は大和型のみ
とくに主役は武蔵(1/700 タミヤ大和改造)です。 シブヤン海に沈んだ武蔵の調査が3月に行われて話題になったので 武蔵が取り上げられているようです。 年ごとに変わっていく大和型の装備の違いも載っているので、 好きな時期の大和型を作りたいと思っている人には参考になるかもしれません。
珍しい超大和型戦艦が半ページ使って掲載されていますので、興味のある人には面白いかも。 ただ、記事には51cm連装砲塔を6機搭載と書いてあります。 超大和型の船体は大和と同じ大きさなので、いくらなんでも無理です。 砲の数としては6門、連装砲塔の数は3機となります。
他の戦艦は1ページにひとまとめにしてさらっと流されています。 戦艦目当ての人は艦これ ピクトリアルモデリングガイドを買った方がよいと思います。
巡洋艦は少ない
重巡洋艦はほとんどなし。
軽巡洋艦は 阿賀野型(1/350 ハセガワ) 大淀(1/700 アオシマ) 香取(1/700 アオシマ) が、載っています。
天龍・龍田はせっかくハセガワから出来のいいリニューアルキットが出たのですから ページをさいて載せて欲しかったのですが 5500トン型といっしょに1ページにまとめられてしまってます。 残念です。
駆逐艦は工作ガイド付き(難易度は高い)
駆逐艦は 陽炎型不知火・浜風(1/350 ハセガワ) 秋月(1/700 フジミ) が中心。 陽炎型浦風(1/700 アオシマ) 夕雲型朝霜(1/700 アオシマ陽炎改造) も扱いは小さい(写真1枚のみ)ですが載ってます。
「お手軽改造でディテールアップ」と称して アオシマ1/700 陽炎を天津風にする記事が載ってます。
艦これピクトリアルモデリングガイド2 は掲載する艦船数が減ったので工作記事が増えています。
ディテールアップしたらしたぶんだけ効果の分かりやすい シンプルなアオシマ製陽炎を使った工作記事です。
ピットロードの 艦船装備セット (5) (NE05) やナノ・ドレッドシリーズ を使うのは ディテールアップの定番としても、 メタルリギングを使って張り線をしたり、 アキュレイトチェーン(チェーンに見えるナイロン製の糸)を使って鎖を作り直したり マストの作成、 エッチングパーツを使いまくってディテールアップしたりと 内容的には中級、上級者向けの記事です。 (この文章を読んで何の事か理解できないという方は買わないほうが身のためです)
この内容で「お手軽」と言ってしまうあたりが、 さすがモデルグラフィックス。マニアの世界です。(ちなみに作例を作っているのはTakumi明春という凄腕艦船モデラー。普通の人は真似できません)
艦これで艦船に興味を持ってこれから作ってみようという方は、ため息がでるかも。
でも、内容としては凄いです。 この本に限らずモデルグラフィック・ネイビーヤードおよびその別冊は 基本的に初心者を相手にはしていないので無理に買う必要はありません。
でも、これらの作品を目標として頑張ってみるのはいいと思います。
マニアックな布陣の空母
航空母艦は 大鳳(1/700 フジミ) 雲龍(1/700 フジミ) 龍鳳(1/700 フジミ) 龍驤(1/700 フジミ) が載っています。
有名どころは艦これ ピクトリアルモデリングガイドで紹介してしまったので 軽空母や大戦後半に就役したマニアックなものが多くなっています。
なかなか注目されることの少ない雲龍や龍鳳の記事が載るのも艦これのおかげですね。
龍驤については詳しい工作ガイドが載っています。
真似するのは大変ですが、プロの人はこうやって作っているんだというのが分かって参考になります。
ところで最近はじめた新人提督には雲龍って手に入らないんですけど・・・
他にもマニアックな船が
他には 潜水艦 イ-400(1/350 タミヤ) 工作艦 明石(1/700 ピットロード) 陸軍特殊船 あきつ丸(フルスクラッチビルド・売っていない船を載せて意味あるの?) 特殊輸送艇 まるゆ(1/350、1/700フジミ) ドイツ戦艦ビスマルク (1/700ピットロード、アオシマ)、ニコイチ? ドイツ重巡洋艦プリンツ・オイゲン (1/700 タミヤ) ドイツ駆逐艦Z1、Z3 (1/700フルスクラッチ また?) イタリア戦艦ローマ (1/700 ピットロード) が載ってます。
中にはキットの売っていない船をフルスクラッチしたものもありますが、 どうやって作ったかという説明はなく、写真一枚に簡単な船の解説に終わってます。
モデリングガイドというわりには、過去に作った船を引っ張り出してきて並べただけの記事が多く。 艦船模型制作の参考になるかといわれると厳しいものがあります。
結論。見た目とは正反対の中、上級者向け
上級、中級者なら詳細に作りこまれた写真を見て まねをしたり、制作意欲が湧いてくるかもしれません。
女の子のイラストが載ったお手軽そうな表紙に惑わされて買うと 不親切で難易度の高い内容に途方にくれてしまうかもしれません。
でも、 モデルグラフィック系の模型誌とはそういうものです。
逆に、この本を見てためになったと言えるあなたは 立派なマニアです(笑)
ちなみにアマゾンの評価もマニア目線のものばかりなので 高評価につられて買うと期待はずれに終わる人も出るかもしれません。
でも、腕に自信のある人にとっては参考になる本だと思います。
評価 作例の作りこみ度 ★★★★★
写真の綺麗さ ★★★★☆
解説の詳しさ ★★☆☆☆
マニア度 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
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